日 時:2008年7月18日(金)12:10~12:30
場 所:経団連会館9階 クリスタル・ルーム
―第42回キワニス社会公益賞贈呈式―
受賞団体: NPO法人わんぱくクラブ育成会
理事長 里中哲夫氏 近藤すみ子氏
授賞式
○小山田委員長より選考経過報告並びに受賞者紹介(活動内容配布)
今年度は皆様のご協力をいただき、新たに10グループご紹介をいただき、過去のものを含めていろいろと検討させていただきました結果、NPO法人わんぱくクラブ育成会という知的障害児のケアをしておられる団体を委員会として推薦させていただき、役員会で承認され、今日の表彰式になりました。
このグループについてはお手元に資料をお配りしてありますので、後でゆっくりお読みいただければと思います。知的障害者の人生を少しでも豊かにしたいということで、20年の長きに渡って親御さんのご協力をいただいたり、ボランティアやアルバイトの方々の助けを得てケアをしていらっしゃいます。私も先日子供を預けている親御さんと話す機会があり、家にいるときと、施設のときとでは子供の表彰が全く違うと言っていました。親御さんにとってもこの働きを感謝しておられます。公的な援助も受けておられますが、資金的に苦労をされておられます。限られた予算の中で出来るだけ子供達の人生を豊かにしたいと毎日努力をされておられます。施設の中でのプログラムを拝見させていただきましたが、皆さんいろいろ工夫をして、子供達の潜在的なものを引っ張り出せるようにしながら、ご苦労させている姿を見て胸を打たれました。私達の表彰はささやかなものですが、頑張っておられる方々の励みになっていただければありがたいと思っています。先般の青少年教育賞でも障害児のために働いている学生の方々が表彰されましたが、私達の身近なところで、たくさんの障害を抱えたご家族が苦労させていることがこういう機会を通して知らされますが、私達の日常生活においても、そういう方々がたくさんおられる、そういう人達のために働いている方々がおられることを心に留めて行きたいと思っております。
○吉江会長より表彰状、副賞の贈呈
○受賞のことば
○里中哲夫理事長より受賞のことば
皆様は学童保育の活動をご存知でしょうか。共働きの子供達、東京では小学3年生までの放課後の活動を保障しているところです。最近は、放課後に怪しい事件がいっぱいあり、親が共働きでなくてもそういう場が必要ではないかということも出て来ました。24年前、私も共働きでしたので、知的障害のある子供を学童クラブに入れました。しかしながら小学3年生より後をどうしたものかとずっと思いあぐねておりました。そうする中で、6年生までは一緒に過ごそうという動きが始まり、その中に私の子供も入って活動しました。普通の子供は小学校が終わると、学童保育は必要なくなりますが、私の子供のためには中学生になっても必要だと思いました。その後、私たちの活動は紆余曲折を経て、指導員の近藤と一緒に「障害児の放課後を豊かに」をスローガンにして障害児だけの学童クラブ「わんぱくクラブ」を始めました。彼らは障害を持つが故に、誰かと約束をして遊んだりすることができません。遊びも誰かが支えなければなりません。いっぱいニーズはあるのですが、先立つものはお金で、初期のころ会員7,8人でやっていまして僅かなお金しかありません。家賃や光熱水費を払った後の僅かなお金で近藤をアルバイトとしてしか雇えませんでした。そんな中、私たちと同じような活動をしているところが都の補助金をもらっているという情報を得て、見学に行き我々ももらうために運動をすることにしました。何年か後に借金をしてちゃんとした場所を借り、漸く区からの助成金をもらえることになり、一人職員を雇うことが出来、仲間も増え始めました。
現在では学齢児「わんぱくクラブ」が20人定員で2箇所、幼児のためのデイサービスが1箇所(20名)、社会人のグループ「ひかり」は、現在35名で近い将来50名になります。現在の私共の一番の問題はこの社会人グループにどこからも援助がないことです。私達は細々とした歴史の中で何度か勇気を出して飛んで現在までの歴史を創ってきました。「ひかり」の施設が老朽化のために出て行かなくてはならなくなり、家賃が倍以上もするところに引っ越しました。このことでパワーが出て、世田谷区に場所を提供してほしいと働きかけています。
人数で言うと、約90所帯が参加している小さな運動ですが、探し出して表彰していただき、大変光栄に思っております。表彰されるのは初めてのことでして会員とともにこの受賞を喜びたいと思います。今日はありがとうございました。