キワニスクラブは、奉仕活動を行う民間の団体です。

第44回(平成22年度)社会公益賞:贈呈式

日 時:2010年7月2日(金) 12:00-13:30
場 所:法曹会館 2階 高砂

-第44回キワニス社会公益賞贈呈式―
受賞団体:ボランティアグループさつき
代表 森川雅志、カリタスの園さゆりの寮 施設長 松田文枝シスター

授賞式

授賞式

 

○山口社会公益委員長より選考経過報告

ほぼ毎月社会公益委員会を開催し、選考を重ねて参りました。その結果、受賞されました「ボランティアグループさつき」をご紹介します。グループの活動場所は杉並区井草にある養護施設のカリタスの園さゆりの寮です。代表の森川雅志様は現在60歳、東証一部上場エレマティック㈱執行役員経理部長の要職にあります。大学在学中よりボランティア活動を通じて社会に貢献したいという思いが篤く、同じ思いの5人の仲間と養護施設のカリタスの園さゆりの寮で生活している親との縁の薄い子ども達の力となり、支えとなることを目指して活動を開始し、35年の長きに亘ってボランティアの仲間と変わらぬ熱意で活動をされています。さらに子ども達が施設から育った後もアフターケアを続けるなど強い絆で結ばれており、森川様にとっても支えの一つとなっています。体の許す限り続けていきたいと熱意を燃やしておられます。一方、施設側も森川様、同ボランティアグループの活動を高く評価し、なくてはならない存在と感謝されています。活動場所はキリスト教カトリック系の児童養護施設ですが、たまたま森川様や仲間の自宅の近いということで、特に宗教的な背景はないそうです。

ボランティアグループさつきのメンバーは20~30名、全体の6割が女性、学生、比較的若い社会人が中心で卒業、転勤等で入れ替わりが激しく、毎年補充しています。立ち上げ当時のメンバーで残っているのは森川様だけです。子ども達の自立心を育むために一人の子どもを一人の大人が1年間担当するマンツーマン方式で活動を行っています。毎週火、木、土の午後6時から9時ごろまで施設で子ども達の学習指導、話し相手となる他、毎年のサマーキャンプなどの企画、実施など全てボランティアグループの人達の自腹で賄っており、援助は受けていません。施設の子ども達が施設を巣立った後も、就職の世話、進路相談など親代わりの役割を担うことも多く、森川様と巣立った子どもとの年齢差が10歳というような方ともいまだに付き合いがあり、とても固い絆で結ばれています。

○北里会長より表彰状、副賞贈呈

○森本雅志さんより受賞のことば

本日は素晴らしい賞を頂戴し、誠にありがとうございます。お礼の意味を込めて私どもの活動の一端を紹介させていただきます。私が36年前にグループをつくったときは、ただ単に子どもが好きだったからです。子どものために何かをしようと、当時は養護施設が何たるかも知らず、電話帳で施設を捜した結果、さゆりの寮と出会いました。当時は若く、血気盛んで福祉も勉強したわけでもなく、素人の私が今考えると赤面するようなことを話しましたら、快く受けてくださり、ありがたく思います。それがなければ、このように長く続かなかったと感謝しています。

社会に出てからがお手伝いしていかなければならないという気持ちを持っていましたので、卒園後の子ども達とつながりを持つ活動をしています。私には2人の子どもがいますが、卒園後の子ども達、孫がたくさんできました。命の続く限りお手伝いをしていきたいと思います。最近困ったことがあります。一つは6,7割が若い女性でなかなか話があわず、溝があって苦労していることです。もう一つは後継者がいないことです。これからも施設の方のご協力をいただきながら、子ども達のためにがんばりたいと思います。本日はありがとうございました。

○松田文枝シスターより一言

本日は素晴らしい集いにお招きいただき、光栄に存じております。児童養護施設は家庭にいろいろな問題をかかえている子ども達、家族と一緒に生活することが出来ない子ども達、2歳~18歳の子ども達をお預かりしております。この子ども達の生活の全般を支援しております。今虐待が増えています。子ども達は自分の親との基礎的な対人関係が確立していないために、その後の人間関係にもギクシャクし、キレやすく、いろいろな問題をかかえています。その関係を取りもどすために、周囲の大人が日常生活の中で細やかな関わりを持たなければなりません。国の職員配置が満足ではない状況の中で、私達は支援させていただいています。森川様達のグループのお手伝いはなくてはならいありがたい存在です。子ども達との1対1の関係を築いていくためには、6対1の職員では不可能なことです。ボランティアグループさつきの皆様がお手伝いくださり、いろいろな行事を私ども職員と一緒になってやってくださっていることを力強く思っております。ボランティアグループさつきを本日表彰していただいことは、私どもさゆりの寮にとっても、職員も子ども達も諸手を上げて喜び、感謝をしているところです。子ども達を最優先という旗印をかかげて活動している皆様方の活動を力強く感じております。子ども達一人ひとりが一人ではない、多くの世界の人々、日本の人々、東京キワニスの方々が支えてくださっていることを、子ども達は自分達の生きる力としてこれからもこれを支えに生きていけるのではないかなと思います。この子ども達は今は社会的な養護を受ける立場にありますが、長じて社会に貢献できる人材に育って欲しいと願っています。ボランティアの方々の存在を子ども達に折りある毎に伝えています。今日帰りましたら、皆様方の大きな支えを伝えたいと思います。これからも子ども達を支え続けていただきたいと思います。皆様方の活動のますますのご発展を祈念して、感謝の言葉とさせていただきます。