キワニスクラブは、奉仕活動を行う民間の団体です。

第49回(平成27年度)社会公益賞:贈呈式

日 時:2015年9月18日(金)12:30-13:30
場 所:法曹会館 2階 高砂

-第49回キワニス社会公益賞贈呈式-
受賞団体:最優秀賞 ひまわりProject Team、
優秀賞  「音楽の花束」

贈呈式

贈呈式
贈呈式

 

○迫社会公益委員長より選考経過報告並びに受賞者紹介

東京都福祉保健局及び東京ボランティア・市民センターを訪問し、東京キワニスクラブの奉仕活動、社会公益賞の趣旨を説明し、候補の推薦を依頼しました。また、2度にわたり例会において会員からの推薦をお願い致しました。その結果、東京都から1団体の推薦、東京ボランティア・市民センターから、推薦する場合は決定というでないと困るということで、5団体の情報提供いただきました。会員からは3件の推薦がありました。

委員会で検討した結果、候補者を3件に絞り、調査することにしました。その後、社会公益委員の皆様と手分けをして、それぞれの団体の活動を調査しました。内、1件については、原則としてではあるが、5年間は継続して活動実績があることという選考基準を勘案して、次年度に再度検討することとしました。調査の結果を委員会に諮り、最優秀賞をひまわりProject Teamに、優秀賞を「音楽の花束」に贈ることを決定し、6月9日の理事会において承認をいただきました。

ひまわりProject Teamは2010年11月に保護者有志で、新宿区立養護学校内の重度心身障害児童に対して、放課後活動を始められました。2011年9月に法人化し、子ども達が高等部卒業後に通う施設づくりを第2の事業としてスタートされ、現在に至っております。特に、高等部卒業後は行政の支援もなくなるので、医療的なケアにも対応できる通所、入所施設を設立して、運営されておられます。

子どもとともに楽しむ音楽会「音楽の花束」は、音楽を通じて、子どもの成長の糧に本格的な音楽を聴く会をつくり、併せて子育て中の家族、地域の方々に楽しんでもらうことを目的として、2004年3月から目黒区で子どもとともに楽しむ音楽会「音楽の花束」のプロデュース活動を始められました。2006年からは目黒区を中心に公立小学校の授業のサポートをする活動を始められ、現在に至っております。代表の後藤京子様はお仕事の関係で、三野耕司様が代理で受賞されます。三野様は当クラブの休会会員です。

○会長より表彰状贈呈並びにお祝いのことば

ひまわりProject Teamと音楽の花束は我々キワニスのモットー、世界の子ども達に役立つ奉仕活動をするという趣旨に非常に合った活動をされておられます。私共は地道に人知れずに活動されている団体を発掘して、表彰させていただいております。相応しい活動の団体ということで、今回2団体を表彰させていただきました。今後とも地域に、そして、将来的には世界に現在なさっておられる尊い奉仕活動を拡げていっていただければありがたいと思っております。本日はおめでとうございます。

○受賞のことば

(1) ひまわりProject Team 代表理事 藤原千里氏

この度は栄誉あるキワニス社会公益賞を賜りまして、誠にありがとうございます。私達がひまわりProject Teamを立ち上げた当初はスタッフ全員が障害児を抱え、ノウハウもなく、試行錯誤の中、多くの方々に支えられながら活動してまいりました。私達のような小さな団体に目を向けていただき、こういった機会を持たせていただいたことに、改めてお礼申しあげます。

近年、医療の進歩で重い障害を持った方達の平均寿命は飛躍的に伸びています。また、法律の改正により、在宅で医療行為が認められるようになったことから、地域社会では、多くの重症心身障害児が生活しております。しかし、残念ながら、行政の対応や社会的認知が追いついていないのが現状です。ひまわりProject Teamでは、こういったすき間に取り残された障害者にできるだけ多くの方々の目を向けていただき、生活の質を向上させることを目的として活動してまいりました。重度心身障害児者は生活すべてに介護が必要で、個々にできることが限られています。私達の活動では、専門性の高い様々な工夫を凝らし、就職といった概念を持つことが難しい重度障害者の作業を広く社会に販売できる商品につなげています。販売当初は商品を置いていただくところを探すのに苦労しましたが、徐々に協力していただける場所が増え、今では作業者一人ひとりに少額ですが、作業代を支払うことが可能になりました。こういった作業の成果やその継続は生きるためのモチベーションとなり、生活の質を大きく変えることにつながっていきます。私達はこれからも障害があっても社会の一員としてできるだけ多くの方々とかかわりが持てるように、そして、より質の高い生活を過ごしていただけるように、そして何よりいただいた社会公益賞に恥じることのないよう活動を続けてまいりたいと思っております。
最後になりましたが、今回の授賞式の日程を私達の都合で変更していただくという大変なご迷惑をおかけしたことをお詫び申しあげます。そして、今回、私達の活動を見学くださり、ご自分のことのように熱心に話を聞いてくださいました委員長の迫様、小坂様、中門様に改めて御礼申しあげますとともに、会員の皆様のご健康とキワニスクラブのますますの発展を祈念いたしまして、お礼のご挨拶とさせていただきます。本日はありがとうございました。

(2) 子どもとともに楽しむ音楽会「音楽の花束」 代表 後藤京子氏 代理 三野耕司氏

この度、子どもとともに楽しむ音楽会「音楽の花束」に伝統あるキワニス社会公益賞を賜り、ありがとうございます。本日、代表の後藤は学校の講師をしている関係で、残念ながら出席することができませんが、友人として私が代理の役を承りました。後藤から預かってきました挨拶をご披露させていただきたいと思います。
私共は発足以来、子どもたちと子育て中のファミリーが、よい音楽を身近に楽しむ機会をつくるため、多くの皆様のお力を借りて今日まで活動を続けてまいりました。
発足当初、自分達の子どもの頃と比べますと、まったく経験していないような電気機器に囲まれた生活環境に不自然さを感じていました。もっと自然のもの、質の良いものに触れて、感性豊かな子ども達に育って欲しいと心から思いました。子育て仲間も同様の意見でした。それが「音楽の花束」の活動のきっかけになりました。単に、デジタルで音楽を聴くだけでなく、生の演奏家の心のこもった音楽に直接触れることが貴重で素晴らしいものだと改めて気づきました。そして、2004年に子どものために、身近でそんな経験ができる場をつくろうと自主コンサートを始めました。
最初は幼稚園で始めましたが、その子どもたちが大きくなり、自分からコンサートに出向いたり、生の音楽を始めたり、家族の中で音楽が身近になっていきました。「音楽の花束」に関わってきた子どもたちはボランティアスタッフとして手伝ったり、友達と一緒に参加したりしています。最近の活動では、離島で生の音楽を聴く機会がない子ども達に演奏家と一緒に演奏を聴かせたりしています。交通費がぎりぎり出せるかどうかという状況の中でやっています。また、高齢者の施設に出向いて、生の音楽を聴いていただく活動も始めました。

この度の伝統あるキワニス社会公益賞受賞を励みとして、今後も引き続き、より多くの方々に音楽で豊かな感動あふれる人生を過ごしていただけるよう、微力ではありますが、心を尽くして活動を続けてまいりたいと存じます。東京キワニスクラブの皆様に改めて心から御礼申しあげ、受賞のご挨拶とさせていただきます。