キワニスクラブは、奉仕活動を行う民間の団体です。

第24回(平成20年度)青少年教育賞:贈呈式

日 時:2008年7月4日(金)12:10~12:30
会 場:経団連会館9階クリスタル・ルーム

―第24回東京キワニスクラブ青少年教育賞贈呈式―

受賞団体:大正大学障害児問題研究会(ちゃぼとひよこ)

学生代表;石嶋誠さん、篠崎奈保子さん  :部長 石川到覚教授

授賞者

授賞者

○秋山青少年教育委員長より選考経過報告並びに受賞者紹介

今年度の青少年教育賞は青少年教育委員会で審議、選考の結果、役員会の承認を得て大正大学障害児問題研究会(ちゃぼとひよこ)に差し上げることになりました。今回の選考に当たり、会員の身近なところから推薦をしていただくことを重視するという従来からの基本方針に則り、全会員に推薦依頼をいたしました。その結果、赤羽会員よりご自身の周りにある学生のサークルのボランタリー活動について検討してみて欲しいとの示唆をいただきました。早速、委員会では学生の代表者に面接調査した上、活動の現場を実際に拝見し、メンバーのひとり一人がいかに自主的に真剣に他利的奉仕に励んでいるかを審査したところ、キワニスのモットーに十分合致する活動をしており、受賞に値する立派な団体であるという結論に達した次第です。このサークルの活動の内容はお配りしたペーパーに私が見聞したところを書きましたが、今日ここに学生代表2名と指導に当たっておられる先生をお迎えしていますので、後ほど詳しくお話を伺うことにいたします。

私から一つだけ付け加えさせていただきますと、活動の現場を拝見した際にお会いした親の会の代表の方が、「大正大学のメンバーの皆さんには30数年の長年にわたりお世話になっているが、いつも真面目で熱心な方が多く、大事な子供達を安心して任せることができるので、大変感謝しています。卒業後も連絡のある方が多く、時には結婚の相談にのってあげることもありました」と話していました。なんと素晴らしい人と人の絆が生まれていることかと深く感動した次第です。因みにサークル名の「ちゃぼとひよこ」は練馬障害児を持つ親の会の愛称で、かつその月刊会報誌名に由来しているようですが、小さくて美しい日本の鳥ちゃぼは卵を孵すのも、子育てするのも上手です。弱い子を心を込めて育て、子供と一緒に育ちたいという親の願いをシンボライズしているものと思われます。

○吉江会長より表彰状、副賞の贈呈

受賞のことば;学生代表:石嶋誠さん、篠崎奈保子さん

このたびはこのような素晴らしい賞をいただき、大変光栄に思っております。部員一同もとても嬉しく思っております。私達大正大学障害児問題研究会(ちゃぼとひよこ)は長い名前ですが、簡単に言うと、ボランティアをしているサークルです。対象は障害を持った方で子供から大人まで幅広い年齢の方と共に活動をしています。35年ほど続いている歴史のあるサークルです。現在部員は1年生から4年生まで90人ほどの大所帯です。定期的な活動として触れ合う会という活動が月に1,2回あります。その他に定期的に毎週金、土曜日にボランティアがあったり、また、その他福祉園や作業所、練馬区を拠点として施設の宿泊行事やお祭りなどに積極的に参加しています。

まず、基本的な活動として触れ合う会という活動があります。これは大学生4名ほどが役員となって一から計画をします。活動は室内と外出、二つに分かれています。室内は練馬区光が丘区民センターの一部屋を借り、皆でレクリエーションをしたり、調理をして一緒にご飯を食べたりします。レクリエーションは役員が考えた、季節に因んだレクリエーションをすることが多い。例えば、12月ならクリスマスケーキをつくって一緒に食べたり、1月には書初めをして、7月は七夕の短冊をつくり願い事をしたりします。また、10時から15時と短い時間ですが、全員が思い思いの触れ合う時間を過ごし、とても充実した一日を過ごしています。また、その触れ合う会の参加者を対象に夏に毎年一度合宿を行っています。これも学生が一から企画をします。昨年度は長野県に行き、お昼は牧場でバーベキューをしたり、皆で広場で一緒になってバレーボールをしたり、夜はキャンプファイアをして一緒に歌ったり、踊ったり、お楽しみ会をしたり、とても楽しい3日間を過ごします。触れ合う会は1日という短い時間ですが、夏合宿は3日間参加者と共にいるので、参加者の意外な一面を見たり、とても楽しい3 日間を過ごすことが出来ます。

触れ合う会以外にも様々な活動を行っていますので、ご紹介します。幼児教室は就学前の障害を持った子や発達に遅れが見られる子などが通っている施設です。私達は毎週土曜日にリズム体操や散歩などを一緒にすることをメインとし、運動会や遠足などのイベントのお手伝いもしています。年間を通して子供達の成長を先生や親と共に喜び合える活動です。幼児教室はちゃぼとひよこが出来た時から始まり、ちゃぼとひよこと同じように長い歴史を持っています。自立宿泊訓練は月に2度行っており、自立を目的に作業所や福祉園から来て翌日まで学生と共に過ごします。食事、入浴、就寝などを行い、利用者が親から離れて自立出来るよう学生がサポートしている活動です。また年に一度学生が企画する自立の合宿があります。昨年はうどんづくりなどの体験をして参加者、学生共に楽しみました。その他にも不定期に施設のお祭りや宿泊活動に参加し、年間を通して様々なボランティアに参加しています。

以上が簡単ですが、ちゃぼとひよこの活動です。この少ない時間ではちゃぼとひよこ素晴らしさを伝えにくいのですが、実際に皆様に見ていただきたいところがいっぱいあります。写真を回覧しますので、ぜひご覧になってください。今後としては30名以上入った1年生にボランティアの素晴らしさを伝えて、また施設や地域など様々な場所で輪を広げて行きたいと思っています。本日いただいた賞を励みにし、これからさらに良い活動になれるよう部員一同がんばって行きたいと思います。本日は本当にありがとうございました。

○受賞のことば:部長 石川到覚教授

ボランティアサークルを後方支援している教員の立場からお礼のご挨拶をさせていただきたいと思います。このたびは名誉ある賞をいただきまして、誠にありがとうございました。学生はきっとこの栄誉を受けてがんばってくれるのではないかと思います。実はこのちゃぼとひよこが出来上がったとき、私は助手でした。35年前大学におりました頃、学生に相談を受けてクラブ活動が始まりました。その後、私自身は社会福祉の中でも精神保健、心の悩みを抱える人の現場に出て、それから大学に戻って参りました。本学にはボランティアサークルはいくつかありますが、ここが一番大所帯であり、先輩後輩のつながりが蜜なグループです。振り返ってみますと、1975年にそれまでは障害児は学籍を持たなくても良いという特例の中にいましたが、学籍が持てるようになり、障害児にとっては重要な転換期でした。そうしたときに母親達が中心になり、都や区に働きかけて活動場所を探し求めていました。大正大学は仏教系の大学で、設立は大正時代です。そもそもは天台宗と真言宗、浄土宗の大学が連合してつくった大学です。縁によって様々なことが起こって来るという考え方を大切にしています。縁をつないで行くことを学生達は受け継いでくれていると思います。3年前に障害者の自立支援法が変わり、今までは税金で全て行っていたものの中から積み立て方式の法制度に変わり、厳しい状況が続いています。ボランティア活動はどんな社会になっても、社会の仕組みが変わっても永遠に続いて行くものだろうと思います。未来を担う子供達に支援しようというキワニスクラブの方々の理念、その理念の下でこうした賞を頂戴できたことを心より御礼申しあげたいと思います。本来ですと、学長がここに参って御礼を申しあげるべきところですが、くれぐれもよろしくとの言付けを申し付かっております。本日の受賞の状況を大学の学報に掲載させていただきまして、その喜びを全学、卒業生にも伝いたいと思っております。最初に学生がありがとうございますと爽やかな笑顔を見せてくれて、私もホッとしております。こうした晴れがましい席にお招きいただき、学生達も一生忘れないひとときになるのではないかと思います。本日は本当にありがとうございました。