キワニスクラブは、奉仕活動を行う民間の団体です。

第25回(平成21年度)青少年教育賞:贈呈式

日 時:2009年6月19日(金) 12:10-12:30
場 所:法曹会館 2階 高砂

―第25回東京キワニスクラブ青少年教育賞贈呈式―

受賞団体:早稲田大学グローブプロジェクト

副代表 花宮香織さん、会長 福田秀彦さん

授賞者

授賞者

 

○吉田青少年教育委員長より選考経過報告並びに受賞者紹介

今年は多数の候補者がありましたが、早めに候補者を絞り込み、1月からサークルの活動や会合に参加させていただき、実際の様子を確かめながら選考しました。早稲田大学のグローブプロジェクト、積木の会(障害を持った人たちの介護を中心にボランティア活動)、東京ボランティアセンターから紹介されたCCS 世界の子どもと手をつなぐ学生の会(外国人の子弟の語学のサポートをし、東京を中心に活動)の3つが最終選考に残りました。5回委員会を開き、慎重に議論を重ねて最終的に早稲田大学グローブプロジェクトが今回の授賞にふさわしいとの結論に達し、5月の役員会の承認を得て決定されました。

グローブプロジェクトの主な活動はスポーツを楽しむことを社会貢献につなげること、スポーツを通じて多くの人に社会問題に対する新しい思考を提供するという大きな理念の下に、フットサルの大会を開催、運営され、そのコートと同じ広さの地雷原の地雷を除去する費用相当額をタイ、カンボジアの国境付近に埋まっている地雷を除去する現地のNGOのPRO(Peace Road Organization)宛に寄付する活動を展開しています。このPROは日本NPOのJHADSという人道目的の地雷除去支援の会が2006年に活動を停止した以降、タイで活動を続けています。寄付のみならず、現地を訪問して犠牲者の方々と交流を重ね、地雷除去地域の視察なども行っています。  推薦理由として、スポーツを楽しみ社会貢献をするという発想がユニークであり、ボランティアの新しいモデルを社会に提案している点、早稲田大学を越えて他大学にも活動を広げている、広報活動にも力を入れており、社会的広がりと将来の発展性に期待できる点が大きなポイントでした。

○川﨑会長より表彰状並びに副賞贈呈

○受賞のことば;副代表:花宮香織さん
(パワーポイントを使って説明)

本日は青少年教育賞という栄誉ある賞をいただき、このような場をご用意いただき、誠にありがとうございました。グローブプロジェクトの活動について説明させていただきます。

グローブプロジェクトは「楽しいだけではつまらない、楽しむことを誰かのために、スポーツの力で」を理念に掲げる学生団体です。スポーツを楽しむことを新しい社会貢献につなげるという新しい社会貢献のあり方を社会に広めることをミッションとしています。主な活動内容はサッカーの5人バージョンの競技であるフットサル大会を開催し、その日使用したコートと同じ面積のタイとカンボジアの地雷原を除去しています。その他、大学の授業にてスポーツを通した社会貢献の講演、タイ、カンボジアの地雷原への視察も1年に1度行っています。組織としては早稲田大学、慶応大学、中央大学、青山学院大学、明治大学など首都圏の大学生約20名で編成しています。

KICK THE MINE CUP(フットサル大会)を開催しています。the mineとは地雷という意味を表しており、フットサルをして地雷を蹴飛ばして地雷原をなくしてしまおうという意味が込められています。その大会を月に1回程度開催し、多くの人に地雷問題を知ってもらうとともに、参加費をPROというカンボジアの地雷除去団体に送り、グランドと同じ大きさの地雷原が除去されます。そしてフットサルで楽しんだ面積の地雷原が歩ける場所に変わり、スポーツを楽しむことを通してスポーツを楽しめる場所を増やしています。一番のポイントはコートと同じ大きさの地雷原の除去で、カンボジアの地雷除去費用は1㎡を約100円です。フットサルのコートは31x20㎡で、1コート 62,000円で除去できる計算になります。グローブプロジェクトは2006年から2009年までグローブカップ(途中からKICK THE MINE CUPと改名)を15回開催し、延べ3,500人を動員しました。江ノ島鵠沼海岸でビーチサッカーをしたり、早稲田大学の体育祭でフットサル大会を開催したり、小学生を対象にした小学生大会などより多くの人たちにスポーツを楽しんでいただける場を提供いたしました。フットサルを楽しんでいただく場を提供するとともに、小学生に地雷の問題をわかりやすく説明するパネルを展示したり、地雷の模型に触ってもらったり、江ノ島鵠沼海岸でビーチサッカー大会をしたときは、まずビーチを掃除してから大会を行い、社会問題に触れる場も提供してきました。

年に1度成果を見に全員で現地視察に行き、実際に地雷の除去の方法をデモンストレーションで見せていただいています。被害者の方に直接話を伺ったりもしています。タイやカンボジアの小学校を訪問し、サッカーの親善試合もしました。タイやカンボジアでもサッカーは人気のスポーツで、道端や道路でサッカーをしていました。これまでの寄付でおよそフットサルコート40面分(寄付総額、2,282,506円)の地雷原の除去を達成しました。毎回寄付は現地でPROに直接手渡しています。大会のときにはサッカー日本代表の岡田監督、北沢選手などゲストをお招きして、応援にきた方にも楽しんでいただけるようにしています。グローブプロジェクトはたくさんの方々にご協力いただいてやってきました。私達はあくまでも仕組みや場を提供しているだけです。地雷除去費は参加者が出してくれますし、大会の運営費は企業の方々や私達の理念に共感してくださる方のご協力があってのことです。今後もこのような活動を継続して、フットサルやスポーツを楽しむことを通して現実を変えていけるんだ、そういうスポーツの楽しみ方もあることを広めていくことがご協力くださった方々への恩返しだと思っています。今回もいただいた賞金を大切に使わせていただきたいと思っています。自分達が出来ることから一つひとつ始めていこうと思います。キワニスの活動にも私達が出来ることを協力させていただきたいと思います。

今回は青少年教育賞をいただき、私達の活動を理解してくださる方が増えたことを嬉しく思います。こらからもスポーツを楽しむことを通して、日本でもカンボジアでもどこでもスポーツを楽しめる子どもを増やしていきたいと思います。本日はありがとうございました。

○会長の福田秀彦さん(早稲田大学研究推進部専任職員)より受賞のことば

本日は青少年教育賞を贈呈いただき、ありがとうございました。現在は研究関係に携わる部門におりますが、その前は学生生活課というサークル関係の窓口をしていました。そこでグローブプロジェクトと2006年頃に出会いました。1日15万人来る早稲田祭と一緒に行われる体育祭でフットサルをやってほしいと依頼したことがきっかけとなりました。フットサルだけをやっている団体はたくさんありますが、フットサルをやりつつ社会貢献を行うという団体は全くなく、この団体は輝いていました。本来は学生生活課にいると、会長というポストを引き受けることはできませんが、彼らの活動が素晴らしいので引き受けました。早稲田の学生は5万6千人ほどいます。最近大学生の幼稚化が叫ばれ、マナーが悪かったり、大学生とは思えないような子ども達も多くいますが、この団体の学生達は清清しく、爽やかでマナーもしっかりしています。

フットサルをしながら地雷撤去という草の根的な平和活動を展開しており、なかなかできることではないと思っています。実際にタイ、カンボジアに行き、言語が通じなくてもフットサルをやれば、心が通じ合えるという話を聞いて、草の根的な平和活動を実現していると感銘を受けました。彼らの活動が早稲田大学のみならず、いろいろな大学、社会には波及して、こういった平和活動が展開されて行きながら、日本の社会、世界が良くなることを望んでいます。グローブプロジェクトは至らぬところもありますが、今後も暖かく見守っていただければと思います。本日はありがとうございました。