クラブ内情報

2023.09.01

令和5年9月期事業報告書

 テキスト ボックス

(2022年10月1日~2023年9月30日) 

当年度の特徴 
当年度は3年続いたコロナ渦からようやく脱却し、キワニスの活動もほぼコロナ以前の状態に戻った1年であった。 
年間を通じて緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されなかったうえ、2023年5月から感染症法上の位置づけが2類相当から5類に引き下げられたことにより、例会をはじめとする活動は中止することなく、実施できた。 
3年間中止が続いていた「子ども食堂」が4年ぶりに春・夏とも開催できたほか、ファミリーデーも4年ぶりに再開、秋の日本地区大会も開催された。 
キワニスドールは、企業や学校による「つくる会」の開催が増加したことで、作成数、寄贈数とも大幅に拡大した。 
キワニスクラブの抱える諸問題について議論するため、理事・監事をメンバーとする「活性化委員会」を月1回のペースで開催した。会員増強や財政再建など幅広いテーマで議論し、その中で長年の懸案だった「委員会組織」の改編を決定した。 
児童養護施設出身者を対象とする奨学金制度については、検討チームを設けて制度を見直し、奨学生1人に対する年間支給額をこれまでの40万円から20万円に引き下げる一方で、支給人数を段階的に増やしていく制度改正を決めた。 
会員主導の「なぎさ会」などの親睦活動もコロナ渦前の頻度に戻り、多様なゲスト(非会員)を招き、新入会員入会のきっかけとなった。 
しかしながら会員減少には歯止めがかからず、固定費の削減に努めたものの、経常収支の赤字額は前年より拡大した。 
2024年1月にクラブ創設60周年を迎えるため、準備委員会を設けて準備に着手し、2024年5月23日に記念式典・祝賀会を開催することなどを決めた。  

(2)「子どもたちのため」の社会奉仕活動 
①キワニスドール
ボランティア活動の中核であるキワニスドールは年間の作成数、寄贈数とも1,000体を超え、ほぼコロナ以前の数字を回復した。 

2018.10~2019.9 2019.10~2020.9  2020.10~2021.9  2021.10~2022.9 2022.10~2023.9
作成数 1,490 987 585 910 1,312
寄贈数 1,214 985 567 705

1,141

 布や綿などの材料費は高騰が続いている。このため、「ドールをつくる会」を開催する企業・学校のうち企業に対しては従来の指導料(講師派遣料)以外に材料費を負担してもらうことにしたほか、寄付もお願いした結果、大口寄付に応じた金融機関もあり、結果としてコストをカバーすることができた。 
恒例のドールフェスティバルは5月27日(土)に開催。3年連続してオンライン方式をとり、初めて国際キワニス日本地区と共催の形をとった。全国のキワニスクラブ会員も多数参加し、参加者は100名を超えた。学校などの作り手代表や、病院に入院中の子どもと接しているホスピタル・プレー・スペシャリスト(HPS)らによる医療現場でのドール活用事例の報告に耳を傾けた。 
 地方のクラブからは寄贈先が見つからないため在庫を抱えているという発言があり、これを聞いたHPSの出演者がドールを活用したい病院等を紹介、全国で800体ものドールのマッチングが実現した。 

②寺子屋
子どもに勉強する居場所と昼食を提供する「寺子屋」は東京・杉並の妙法寺を会場に、お寺や地元NPOと共同で土曜日(月に2~3回)や夏休み(2日間)に開催した。新年恒例の書初めのほか、月に1度はその月に生まれた子どもの誕生日祝いを定例化。会員夫人らによる「本読み聞いてね」(絵本の読み聞かせ)にも人気があった。 
コロナ期間中は、検温、マスク着用、段ボールによる仕切り版の設置などの対応策をとったが、それも解除になり、参加する子どもたちに笑顔が戻った。 
なお日本地区の看板プロジェクト・コンテストにおいて「寺子屋in妙法寺」が金賞に選ばれた。 

 ③子ども食堂
コロナ渦で3年連続中止していた「子ども食堂」が4年ぶりに復活。春休み(3月27日)と夏休み(8月5日)に開催した。会場は従来の妙法寺からほど近い、私立堀之内学園東京立正中学・高校の食堂・講堂に変更した。春・夏ともと小学生や未就学児童と保護者130人あまりが来場。コロナ前と同じ学士会館精養軒特製のカレーライスを振る舞った。キワニスと、地元のNPO法人すぎなみ子どもサポートの共催で、双方のスタッフのほか、立正中高の生徒もボランティアとして参加。さらに地元団体の協力で春はアトラクション、夏は工作などを実施した。 

 ④子どもスマイルinサンシャイン
3回目を迎えた池袋・サンシャインシティでの子どもイベントは4月4日に開催。 
参加した子どもは24人。ベトナム、ミャンマーなど外国にルーツを持つ子どもが半数を超えた。前年同様、開館前の水族館に特別に入館して見学したあと、シナリオ作りの体験をした。キワニス会員のほか、地元のNPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク、会場のサンシャインシティの協力で、子どもたちも「また来たい」と思えるような、楽しい時間を過ごした。 

 ⑤キワニス奨学金
奨学生は4月から4年制大学に進学した女子学生が加わり4人に。いずれも児童養護施設出身の大学生2人、専門学校生2人。このうち2人が3月末の例会に出席し、それぞれの近況や将来の目標などを聞くことができた。 
奨学金制度については検討チームを設けて改革案をまとめた。公的奨学金の充実などを考慮して、これまで1人40万円だった年間支給額を、20万円に減額する代わりに、同時に支給できる人数を従来の最大4人から、段階的に最大8人まで広げる。新年度から実施するが、支給中の学生は従来水準を維持する。 
また奨学金チームは募集対象となっている8か所の施設ごとに窓口となる会員を決めて、施設側との連携を深め、奨学生とそれぞれに合った方法で寄り添い、サポートする体制が確立しつつある。 

 ⑥SLP SLP (Service Leadership Programs)は奉仕を通して若者のリーダーシップ育成に貢献する機会を提供する。6月に新しいSLPとして、「N.K考学舎キークラブ」が発足した。新入会員の1人が代表をつとめる考学舎は都内2か所に教室を持つ、フリースクールと学習塾の中間的な私塾で、小1~浪人生が「自立できる大人」をめざして学ぶ。キークラブは高校生版のSLPだが、考学舎の場合は中学生も参加。キワニスの寺子屋事業にボランティアとして参加したほか、秋の日本地区大会にも出席して活動状況を発表した。 
東京クラブのSLPは座間アメリカンスクール・キークラブ、サークルK武蔵野大学とあわせて3団体となった。 

顕彰事業 
第38回青少年教育賞は、「学生NGO ALPHA」に最優秀賞が贈られた。東京外語大学の学生を中心とする団体で、フィリピンで小学校の教室建設、オリジナル授業の実施など、子どもたちへの教育支援活動を行っている。優秀賞には子ども向けの環境教育を手掛ける「環境ロドリゲス」(早稲田大学)と、ブラジルで学童対象の健康診断などを手掛ける「国際医学研究会(IMA)」(慶応大学医学部)の両団体に送られた。 また第57回社会公益賞は不登校の子ども達の集う居場所を提供している任意団体「なゆたふらっと」に最優秀賞が贈られた。 

 子どもサロン 
2022年の年初に会員有志により発足した「子ども研究会」は、「子どもについて学び語る会」(通称子どもサロン)に改称した。月に1度、対面またはオンラインで会合を開き、子どもを巡る諸課題について会員自身の勉強の成果を発表、それをもとに意見交換したり、オンラインで外部の専門家の話を聞いたりした。また例会で卓話をお願いした平岩国泰氏(放課後NPO法人アフタースクール代表理事)が手掛ける新渡戸文化小学校のアフタースクールの見学会も実施。保護者の働き方の変化による最近の子どもの放課後事情を学ぶ貴重な機会となった。 

(3)会員相互の交流・研鑽 
① 例会・火曜会・国際懇話会 
例会は原則として第1・第3・第5金曜日の昼に学士会館で開催、当年度はコロナ渦による中止はなくなった。卓話は外部の有識者のほか会員も講師をつとめた。火曜会は毎週火曜日の昼に銀座ライオンで開催しているが、参加者の減少、メンバーの固定化を改善するのが課題。国際懇話会は年3回開催、うち1回は当クラブの名誉会員が講師をつとめるなど、これまでと違う切り口の講演を企画した。 

 ファミリーデー 
コロナ渦の3年間中止が続いていたファミリーデーを、8月25日夕に4年ぶりに開催した。学士会館を会場に会員と家族あわせて40人が参加、バイオリン演奏や福引などを楽しんだ。 

 その他の交流イベント 
クラブ主催のイベントとしては2022年11月に恒例のチャリティゴルフコンペを飯能ゴルフクラブ(埼玉県)で開催、また2023年7月には汐留ホールにオペラ歌手4人によるチャリティコンサートを開催し、多くの非会員を含め97人が参加した。 
いずれも会費の一部をメルシー寄付とした。 

会員自主活動 
会員が自主的に開催しているイベントとしては、日本酒を楽しむ「なぎさ会」をほぼ毎月1回開催した。非会員のゲスト、特に女性の参加を積極的に受け入れ、これをきっかけに入会するケースも出てきた。また「ワインを楽しむ会」も会場を変え、開催している。囲碁クラブ、カメラ部など会員有志の会も活動を継続しているほか、 
新たにゴルフ同好会も立ち上がり、会員相互の親睦機会を広げている。 

会員向けチケット販売 
大相撲、歌舞伎、文楽、宝塚をはじめとする各種の文化イベントのチケットを確保し、会員に販売するサービスは、コロナによる公演中止などがなくなり、事務手数料の徴収も定着した。 

 広報活動 
年2回活動レポートの発行、ホームページやSNSによる情報発信のほか、例会の卓話を動画撮影してホームページ上で会員向けに配信するサービスも続けた。 

 日本地区や国際組織との交流 
アジア太平洋地区のキワニスクラブを統括するASPACの年次総会は3月にマレーシアのポート・ディクソンで3年ぶりに対面で開催され、東京クラブからは5人が参加した。 国際キワニスの世界大会は6月に米ミネアポリスで開催された。 日本地区の第44回年次総会は4年ぶりに9月に金沢市で開催された。 

 東京ディビジョン 
東京ディビジョンは東京のほか、新潟、金沢、千代田、福井、宇都宮、それに前年に新設された群馬クラブが加わり、7クラブで構成。オンラインで2回、ディビジョン会議を開催し、会員増強の苦労や、ドールづくりについて情報交換した。 

 60周年の準備 
東京キワニスクラブの創設は1964年1月24日で、2024年は60周年に当たる。このため準備委員会を立ち上げ、周年行事などの検討に入った。記念式典・祝賀会は2024年5月23日にザ・キャピトルホテル東急で開催することを決定した。 

 

(4)会員の減少とクラブ財政の立て直し 
①会員の増減
会員の推移

区分 2022.9.30 2023.9.30
正会員 105人 105人
休会員 19人 12人
合計 124人 117人

 当年度は正会員が7人退会した一方で、7人が入会した。一方、休会員は7人減少した。休会員から退会、正会員から休会員へ移行、休会員から正会員に復帰などをあわせた結果だ。このため、正会員、休会員をあわせた合計人数は前年より7人減少した。 

 またコロナ以降の新入会員を対象にオンラインによるオリエンテーションを4年ぶりに開催した。 

 ②クラブの財政状態 
会員数の減少によって会費収入が減少、クラブ財政の悪化が続いている。前年度まではコロナ渦の影響で例会の回数や、子どものための活動の機会が減少し、経費が抑えられた面もあったが、当年度はほとんどの活動がコロナ前に戻ったため、その分だけ経費は膨らんだ。光熱費、食材費などの値上がりも響いた。このため、年間の経常収支は約84万5千円の赤字となった。赤字幅は予算よりは15万円ほど低く抑えられたものの、3年ぶりに拡大した。 

 ③財政改善努力 
固定費のうち、事務所家賃は前年度第4四半期からの引き下げが通年寄与した。会員向けチケット販売はコロナの影響による公演中止がなくなり、手数料収入が回復し、収支が改善した。当年度はキワニスドールをつくる会を開催した企業に材料費の負担や寄付を要請し、これによりドールの材料費などのコストをカバーできた。 

 ④各種寄付 
コロナの影響で開催できなかったファミリーデーやチャリティコンサートが復活、なぎさ会などを含め寄付をお願いする機会が増えたことにより、年間のメルシー寄付額は67万円と、コロナ前の水準を回復した。 

(5)クラブ改革への努力 
①活性化委員会で改革議論 
当年度は理事会メンバーで構成する「活性化委員会」を月1回、オンラインで開催し、会員増強、財政健全化、例会の活性化などクラブが抱える課題について議論した。テーマによっては改革の方向性が見えたものもあるが、課題を認識する段階にとどまったものもあり、今後さらに検討を続けていく必要がある。 

 ②委員会組織の改編 
活性化委員会での議論を経て、改革実行に結びついたのは、長年の懸案だった委員会組織の改編。ここ数年で活動が定着した奨学金や、子ども食堂・寺子屋などの事業を担当する委員会を新設する一方で、複数の委員会を統合したほか、2つの委員会を廃止して担当理事制とすることで、委員会の数を12から9に削減した。 

(6)個別事業活動状況 
①会員の社会貢献精神涵養事業

定例会  24回開催 会員延827名 会員外延36名
火曜会  43回開催 会員延359名
国際懇話会 3回開催 会員延74名 会員外延14名
ファミリーデー1回 会員31名 会員外9名
チャリティーコンサート 1回 会員29名 会員外68名
寄付金額 104,000円

  ②ボランティア推進事業 (継続事業)
(a)ドール製作と普及活動
ドールの製作1312個
ドールの寄贈1141個
キワニスドールフェスティバルをYouTubeLiveとズームウェビナーを活用して開催
2023.5.27フィンテックグローバル株式会社会議室
(概数)

会員10名 他クラブ40名 会員外50名
ドールをつくる会実施
(学校)
田園調布学園家庭部(2022.11.26)
田園調布学園土曜プログラム(2023.7.1)
明治薬科大学(2022.10.21)
東京医療秘書福祉&IT専門学校(2023.7.7)
東京家政学院高等学校(2022.11.7)
東京医療学院大学(2023.7.13)
自由学園リビングアカデミー(9回開催2022.10.14,11.11,12.9 2023.1.13,3.10,4.14,5.12,6.9,9.22) 会員延8名 会員外延137名
宝仙大学石川ゼミ(2023.6.7)
ドール作り講習会(2023.5.30,6.5)会員延35名 会員外延146名
(企業)
明治安田生命(2022.10.12,12.6)
アストラゼネカ(2022.10.17,2023.6.9)
オーシャンネットワークエキスプレスジャパン(2023.1.18)
三菱UFJ銀行(2023.2.13,2.16)

美竹やさか法律事務所(2023.6.1)
JCB(2023.6.15)

エドワーズライフサイエンス(2023.7.11)
JPモルガン証券(2023.8.9)
ギャップジャパン(2023.9.27) 会員延49名 会員外延231名
(b)靖国神社へのボランティア活動
靖国神社慰霊の泉清掃(2022.11.21) 会員1名

靖國神社昇殿参拝と慰霊の泉見学 (2023.3.28) 会員11名
(c)子どもスマイルイベントinサンシャインシティ」の実施(2023.4.4) 会員14名 会員外34名
キワニス日本財団(KJF)より10万円の資金助成を受けた。
(d)子ども食堂を春休み・夏休みに開催 会員延28名 会員外延283名
キワニス日本財団(KJF)より15万円の資金助成を受けた。
(e)「寺子屋in妙法寺」を19回開催 会員延126名 会員外延847名
夏休みの寺子屋は2日間で117名参加した。
(f)キワニス奨学金(児童養護施設卒園者支援制度)
1人に対し3ヵ月ごとに10万円を4人に支給。総支給額は年間150万円となった。キワニス日本財団(KJF)より10万円の資金助成を受けた。
③社会公益事業

(a)第57回キワニス社会公益賞の贈呈(2023.10.) 最優秀賞:任意団体 なゆたふらっと
(b)第38回東京キワニスクラブ青少年教育賞の贈呈(2023.10) 最優秀賞:学生NGOALPHA 優秀賞:環境ロドリゲス、国際医学研究会
④委員会活動支援事業
(a)福利・厚生・レクリエーション活動
ゴルフ会  秋季 会員12名 
会員外3名
歌舞伎 1回 会員12名 他クラブ14名 会員外24名
文楽4回 会員延11名 会員外延40名
第九 1回 会員7名  会員外6名
大相撲観戦  3回 会員延14名 会員外延31名
囲碁愛好会 12回 会員延44名 
なぎさ会(日本酒を楽しむ会)10回 会員延141名 他クラブ6名 会員外延19名
ワインを楽しむ会 3回 会員延49名 会員外延10名
カメラ部会 写真展 会員5名
ゴルフ部会 2回 会員延19名 会員外延5名

⑤その他
(a)広報・PR活動
東京キワニスクラブ活動レポート 2回発行
(b)他クラブとの交流
札幌クラブ設立50周年記念式典祝賀会(2023.7.12) 会員2名
青森ねぶた祭りオープン例会(2023.8.2) 会員3名 会員外2名
京都クラブ祇園祭(後祭)例会 (2023.7.24) 会員3名 会員外1名  

7)国際キワニス・日本地区事業活動への参画
①国際大会への参画
ASPACポートディクソン大会 (2023.3.16-18) 会員6名  
ミネアポリス大会 (2023.21-24) 会員5名
金沢大会(2023.9.3-4) 会員18名 会員外6名

②アニュアルギビングプログラム 105,000円

③キワニス日本財団運営協力金 210,000円

④公益目的事業資金寄付金 105,000円

以 上