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2005.02.01
「青森県立浪岡養護学校」からのメッセージ(2005年2月)
たくさんのメッセージが来ています。ドールを抱いた子供たちの声が聞こえてきます。
【1】
■学年:小5(男)
■指導時間:休み時間
生徒の反応・言葉等
とても喜び、すぐに前日に見たテレビドラマの主人公の顔を描くことを決め、描いた。家に持って帰り、翌日、学校にもって来た。
昼休みにキャスターボードに乗せて引っぱったり、トランポリンで一緒にはねたりした。
数日間持ってきていたが、もって来なくなってからは、枕もとに置いているそうだ。
【2】
■学年:中1(女)
■活動時間:生活単元学習
■テーマ:「人形に顔を描こう、服を着せよう」
生徒の反応・言葉等
文化祭の劇の時のシンデレラの衣装を着た自分を黙々と描きました。本当はドレスですが、できあがったものを見て、とてもうれしそうでした。3学期にピンクの布でスカートを縫わせたいと思っています。
他の先生が人形を指さして「だれ?」と聞くと、「○○!」と自分の名前を元気に答えていました。
【3】
■学年:中1(女)
■活動時間:生活単元学習
■テーマ:「人形に顔を描こう、服を着せよう」
生徒の反応・言葉等
指導者と一緒に、その時間に着ていた服で描きました。目も、ほくろの位置も本人にそっくりなので、この子も「だれ?」と聞かれて、自分の名前を答えていました。恥ずかしそうにしていました。自分では抱いたり撫でたりしませんが、指導者が「かわいい、かわいい」と言って頭をなでると、にこにことうれしそうにしていました。やめると、「またやって」と言うように手を人形の方に持ってきます。(クレーン動作)
【4】
■学年:中1(女)
■活動時間:生活単元学習
■テーマ:「人形に顔を描こう、服を着せよう」
生徒の反応・言葉等
他の子はみんな、背面をそのまま同じ人の背面で描いたのですが、この子は、初めに描いた方は宇宙からやってきた女の子マコちゃんで、背面は自分だということでした。写真は自分の側ですが、涙をこぼしています。「どうして泣いているの」と聞いても、答えませんでした。この子は通学生で、同じ障害を持つお兄さんと一緒にお母さんの車で学校に通っているのですが、この時お兄さんの脊椎の手術のため、お兄さんは大学病院へお母さんはその付き添い、自分は学校に隣接する青森病院に入院し、さびしかったのかも知れません。
【5】
■学年:中1(男)
■活動時間:生活単元学習
■テーマ:「人形に顔を描こう、服を着せよう」
生徒の反応・言葉等
クラスは違うが同学年のあこがれの女の子の人形にすると言って、 本当に一生懸命に取り組んでいました。どんな服にしようかなと かなり迷った後指導者の「いっそ水着にしたら」という冗談を真に受けて、作者が大好きなピンクの水着にしました。「デートは海もいいなぁ」という作者の談です。早く入院病棟に持って帰りたくて、何回も「いつ持って帰れるの」と聞いていました。もともとぬいぐるみや人形が大好きな子なので、自分が作ったあこがれの女の子の人形に、舞い上がりそうにうれしそうでした。
【6】
■学年:中1(女)
■活動時間:学級活動
■テーマ:「このお人形をあげます」
生徒の反応・言葉等
この生徒は、自由に楽しそうに、人形で遊ぶ。家に持って帰らず学級に置いて、休み時間や放課後、時々遊んでいる。ネックレスをつけたり、洋服を作ったりするが、顔は描かない。その時は無言であるが、笑顔で作業している。同じ学級の他2名の女の子は、1名は、何も描かず1時間黙って人形を見つめ、時間が終わると「病棟に持って帰りたい」と抱いて持って帰る。もう1名は、さわろうとしなかった。
【7】
■学年:小1(女)
■指導時間:休み時間
■テーマ:「ままごとあそびをしよう」「おいしゃさんごっこをしよう」
生徒の反応・言葉等
本児はごっこ遊びが大好きで、遊んでもよい時間だとわかると、ピンクの人形と一緒に遊び始めます。ピンクも大好きな色なので、とても気に入って大事に扱っています。本児は一人っ子なので、妹にするのかな?と思いましたが、”お姉さん”なのだそうです。でも、「お昼寝だよ。」と言ってタオルをかけてあげたり絵本を読んであげたりと、お世話をしてあげることを楽しんでいます。自分がお医者さんや看護婦さんになって歯や耳に薬を塗ったり、手術をしたりもしています。友だちがお腹が痛いと横になった時、人形をお腹に乗せ、その上から布をかけて「赤ちゃんいるんだよ。」と言って産まれた赤ちゃんを別の布で包み、ベッドに寝かせたこともありました。
【8】
■学年:小5(女)
■指導時間:休み時間
■テーマ:「歯医者さんに行こう」
生徒の反応・言葉等
歯科通院時、フッ素を塗布するだけでも泣いて大暴れするという本児に活用。白の人形を選択。虫歯のある大きな口と目のみ描き名前を付け、学年を本児と同学年に設定し、歯医者さんごっこ等をして遊んだ。 自分は病院スタッフ役になり、「○○ちゃん、寝て下さい。」「次は○曜日○時に来て下さい。」など自分が言われていることと同様のことを人形にも言っている。また、指導者がわざと「こわいよ。」と泣くまねをすると、本児は「大丈夫。A子(自分のこと)ついてるから。」と励ましの声をかけた。初めは人形の頭を叩く行為もみられたが、頭をなでるようになり、叩く行為はなくなった。人形使用後、歯科通院がないため、実際の通院時の変化は不明。
【9】
■学年:中3
■活動時間:休み時間等
■テーマ:「このお人形をあげます」
生徒の反応・言葉等
5名在籍。男子2名、女子3名。全員顔や衣服は描かない。1名のみ、家に持って帰る。他は学級に置いておく。男子2名は振り回したり、ボディブローをしたりする。この2人はお互いにもやっていることを、人形相手もしているという感じである。女の子2名は、時々ぎゅっと抱きしめたり、机においてながめたりしている。この学級は全員白を希望する。担任は「いらない」と言われるかと思っていたようだが、みんな素直にもらって、それぞれに活用しているようだ。